伯父(A)が債務を抱えたまま平成24年6月に死亡。
Aの妻や子等は相続を放棄した。
妻や子等の相続放棄により、Aのきょうだいやきょうだいの子等が相続人となった(再転相続)。
Aの弟にあたる父(B)は、Aの相続人になったことを知らず、Aの相続について
承認するか放棄をするか示さずに、Aの死から約4か月後に死亡。
Bの子であるCは、Bの死亡から約3年後に、Aの債務がBに引き継がれていたことを
初めて知った。
再転相続に関し、民法では相続の承認又は放棄をすべき3箇月の期間(熟慮期間)は、
「相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時」から起算する旨を規定しており、
債権回収会社は起算点を「Bの死亡時」とし、Cは「通知があった時」とし、
熟慮期間の起算点はいつからか、が今回争われた。
今回、最高裁では
再転相続人がBがAの相続人であったことを知らなければ、Aからの相続について
承認又は放棄の選択することはできない。
また、CがBからAの相続人としての地位を承継したことを知らないまま
熟慮期間が起算されることは、相続について承認又は放棄のいずれかを選択する機会を
保障する民法の趣旨に反すると指摘し、
「起算点は、相続の承認又は放棄をしないで死亡した者の相続人が、
自分が承継した事実を知った時」とすべきの判決が出た。